Hanpu Li 李函璞

鷓鴣天の調べ · 二更に車を待つ、別の家に泊まって猫に付き添おうとして

詞

初稿

《鷓鴣天 · 二更候車,將宿他舍伴狸奴》

片札含霜到齒牙,青驄待發果盈車。 點來四五聊充策,大衍分蓍一未加。 呵作霧,燼成花。輿中欹復正疑斜。 筋骸暗替君搖首,載過當停處已賒。

鷓鴣天の調べ · 二更に車を待つ、別の家に泊まって猫に付き添おうとして

一片の短い書きつけが霜を含み、歯にまで届く。 葦毛の馬は出立を待ち、果物が車に満ちている。 四つ五つを数えて、ひとまず筮竹の代わりにする。 大衍の法にならって蓍を分け、その一本は足していない。 吐く息は霧となり、灯心の燃えさしは花を結ぶ。 車の中で傾き、また真っすぐに戻り、斜めかと思える。 筋骨は目に見えぬまま、あなたに代わって首を振る。 運ばれて、止まるべき所を過ぎ、そこはもう遠い。
訓読・書き下し文

鷓鴣天 · 二更に車を候(ま)ち、将に他舎に宿らんとして狸奴に伴う

片札霜を含みて歯牙に到り、青驄発するを待ちて果車に盈(み)つ。 四五を点じ来たりて聊か策に充(あ)て、大衍に蓍(し)を分かちて一は未だ加えず。 呵して霧と作(な)り、燼花と成る。輿中に欹(かたむ)きて復た正しく、斜(なな)めなるを疑う。 筋骸暗に君に替わりて首を揺らし、載せて当に停まるべき処を過ぎ、已に賒(はる)かなり。
  • 「欹」は、この書き下しでは傾く意で「かたむく」と訓む。
  • 「正」は、この書き下しでは傾きのない意で「ただし」と訓む。
  • 「賒」は、この書き下しでは遠い意で「はるか」と訓む。
  • 題の「候」は、待つ意で「まつ」と訓む。
訓点校注(編集)
  • 「大衍分蓍」は『周易』繫辞上伝「大衍の数は五十、其の用は四十有九」による。「蓍(し)」は占いに用いる蓍草の茎、「策」はその一本をいう。
  • 「當停處」の「當」は再読文字で「当に停まるべき処」と訓む。「載過」の「過」は越える意で、「処を過ぎ」と返読する。
  • 題の「狸奴」は猫の異称。「將」は再読文字で、「将に他舎に宿らんとして」と訓む。