詩歌
単篇、連作、それぞれの稿。
連作と組詩
単篇
ある夏を思い出したことはある?
あの夏、七月の蝉はまだ鳴きやまず、 君の笑い声も途切れなかった。
臨江仙の調べ
麹と麦芽、塩と梅に、古い調合法はない。塵が来ても、芳しい流れにはまだ波が立たない。 簾の前、去ろうとすれば、影が先に留まる。
朝中措の調べ
羽の金を梳いて、ほのかな香りの花にする。香りは鏡に届いて止まる。 欄干の前、影を伴侶に、並びたいと願う。一筋の朱い髪が先に絡まる。
風入松の調べ
丘の亭では雪が降ろうとし、霜はすでに結ぶ。それでも頑なな陽は残る。 斜陽は煉瓦に落ちてなお去りがたく、金の炉を焚き、長い夜、君を待つ。
鵲橋仙の調べ
手紙は要らない。古い品は大切にしている。紙にはありふれた言葉ばかり。 柔らかな手の傷を、思いがけず唇が濡らした。幾年を経て、なおどれほど残るのか。
臨江仙引の調べ
囲いは裂け、宴は散る。鐘は夕べに垂れる。しばし、安らぎを盗みとる。 星の街に、あのよい歳月はもうない。
満庭芳の調べ · 遥かに楚潭を思う
風の佩玉がいま静まり、雨が朝の木槿を梳く。文は先に眉の弧を知っていた。 ひと声、低く呼ぶ。夢の弦が驚いて散る。
満江紅の調べ · 引き止めたくとも、こうなるとわかっている
古い裂け目を縫ったばかりなのに、春風はまた、しきりに客を引き止める。 扉は閉じようとし、かえって簾の影が翻り、春を忍び込ませる。
満江紅の調べ · 旧作を読み返し、年月を経て再び消息を交わしたことを思う
古い詞をまた開けば、まず、あの頃注いだ力がわかる。 かつて細かく解きほぐし、わずかな言葉を千たび転じた。息はかすか、声は渋い。
應天長の調べ · 呼び戻す
呼び戻してなお、空の衣を整える。 袖口の余温は指に残る。