Hanpu Li 李函璞

詩歌

単篇、連作、それぞれの稿。

連作と組詩

  1. 甲と乙

    幾度、夜更けまで二人で黙って座ったことだろう。 ひとつきりの灯、その赤い涙がゆっくり垂れる。

  2. 九月九日の二首

    幾晩か、簾の前で一緒に灯芯を切った。 一生ぶんの話をして、また三更まで来た。

  3. 屋根が裂ける

    屋根が裂ける。裂け目の中に灰。 灰の中に風はない。風は去った。去れない。

単篇

  1. ある夏を思い出したことはある?

    あの夏、七月の蝉はまだ鳴きやまず、 君の笑い声も途切れなかった。

  2. 臨江仙の調べ

    麹と麦芽、塩と梅に、古い調合法はない。塵が来ても、芳しい流れにはまだ波が立たない。 簾の前、去ろうとすれば、影が先に留まる。

  3. 朝中措の調べ

    羽の金を梳いて、ほのかな香りの花にする。香りは鏡に届いて止まる。 欄干の前、影を伴侶に、並びたいと願う。一筋の朱い髪が先に絡まる。

  4. 風入松の調べ

    丘の亭では雪が降ろうとし、霜はすでに結ぶ。それでも頑なな陽は残る。 斜陽は煉瓦に落ちてなお去りがたく、金の炉を焚き、長い夜、君を待つ。

  5. 鵲橋仙の調べ

    手紙は要らない。古い品は大切にしている。紙にはありふれた言葉ばかり。 柔らかな手の傷を、思いがけず唇が濡らした。幾年を経て、なおどれほど残るのか。

  6. 臨江仙引の調べ

    囲いは裂け、宴は散る。鐘は夕べに垂れる。しばし、安らぎを盗みとる。 星の街に、あのよい歳月はもうない。

  7. 満庭芳の調べ · 遥かに楚潭を思う

    風の佩玉がいま静まり、雨が朝の木槿を梳く。文は先に眉の弧を知っていた。 ひと声、低く呼ぶ。夢の弦が驚いて散る。

  8. 満江紅の調べ · 引き止めたくとも、こうなるとわかっている

    古い裂け目を縫ったばかりなのに、春風はまた、しきりに客を引き止める。 扉は閉じようとし、かえって簾の影が翻り、春を忍び込ませる。

  9. 満江紅の調べ · 旧作を読み返し、年月を経て再び消息を交わしたことを思う

    古い詞をまた開けば、まず、あの頃注いだ力がわかる。 かつて細かく解きほぐし、わずかな言葉を千たび転じた。息はかすか、声は渋い。

  10. 應天長の調べ · 呼び戻す

    呼び戻してなお、空の衣を整える。 袖口の余温は指に残る。